猫の診療・予防 CAT

よくある猫の病気について

皮膚の病気
症状

皮膚が赤い、フケが多い、湿疹がある、痒がっている、すごく舐めている、できものがある等

原因

細菌性、真菌性、寄生虫性の皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、心因性の脱毛、腫瘍等

治療

問診や検査により原因を探り、それによって治療や処置・お薬を選択します。
寄生虫駆虫薬、内服薬、シャンプー等の外用薬、食餌療法、等を行います。

消化器の病気
症状

食欲不振、よく嘔吐する、便が緩い、下痢をする、便秘、おなかが張っているようだ等

疑われる病気

食道炎、胃腸炎、毛球症、大腸炎、寄生虫症、食事反応性腸症、炎症性腸疾患、膵炎、胆管炎、肝リピドーシス、腫瘍等

治療

問診や検査により原因を探り、それによって治療や処置・お薬を選択します。
内服薬や食餌療法等を行います。

歯や口の病気
症状

口が臭い、歯ぐきが赤い、食べづらそうにする、歯がぐらぐらする、色のついた鼻水がでる、食べづらそう等

疑われる病気

歯肉炎(歯ぐきの炎症)、歯周炎、歯槽膿漏、歯根膿瘍、舌炎、歯肉口内炎、口腔内腫瘍等

治療

問診や検査により原因を探り、それによって治療や処置・お薬を選択します。
内服薬の処方、歯石の除去、抜歯等を行います。

腎・泌尿器の病気
症状

尿が薄い、尿量が多い、頻尿、血尿等

疑われる病気

慢性腎臓病、尿管結石、尿道結石、膀胱炎等

治療

問診や検査により原因を探り、それによって治療や処置・お薬を選択します。
点滴、内服薬、食餌療法、外科的処置等を行います。

呼吸器の病気
症状

鼻がつまっている、黄緑色の鼻水がでる、くしゃみをする、鼻血がでる等

疑われる病気

鼻炎・副鼻腔炎、鼻咽頭ポリープ、猫風邪(猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎)肺炎等

治療

問診や検査により原因を探り、それによって治療や処置・お薬を選択します。
内服薬、点眼薬等を行います。

INFECTION 感染症について

  1. SMALL Title 猫伝染性腹膜炎(FIP)/
    猫腸コロナウイルス感染症

    FIPウイルス(猫腸コロナウイルスの強毒型)による感染症です。発熱や食欲不振、元気消失が認められます。
    胸水や腹水が貯留するタイプと神経症状を呈するタイプがあります。抗ウイルス薬が開発されてきていますが、予後が悪いことが多いです。

  2. SMALL Title 猫白血病ウイルス(FeLV)
    感染症

    猫白血病ウイルスによる感染症です。感染性のウイルス粒子は唾液、鼻汁、尿、糞便、乳汁に排泄されます。
    ですので、感染している猫とのグルーミング、咬傷、食器の共有等による唾液を介してうつるとされています。様々な症状を示し、予後が悪いことが多いです。症状に応じて対症療法をします。

  3. SMALL Title 猫免疫不全ウイルス(FIV)
    感染症

    猫免疫不全ウイルスによる感染症です。唾液や血液を介して感染し、免疫不全症を引き起こしうるため、歯肉口内炎や貧血、細菌性感染症等にかかりやすいです。
    予後は個体によって様々で、免疫システムの破壊が進行し、長く生きられない場合と、平均的な寿命を全うする場合もあるといわれています。

  4. SMALL Title 猫パルボウイルス感染症

    若齢猫では特に重症化し、感染力が非常に高い感染症。発症すると、突然の食欲廃絶、嘔吐、発熱、脱水の症状が見られます。対症療法を行い回復できることもありますが、6か月未満の子猫では非常に難しいです。

PREVENTION 予防について

ノミ・マダニの予防

猫ちゃんは室内飼養が原則ですが、お外で暮らしていた子を保護した、外に脱走してしまっていた、リードをつけて散歩に行く等の場合、ノミ・マダニに寄生されないように予防・駆虫することが大切です。ノミ・マダニに寄生されると、皮膚の病気を引き起こすだけではなく、貧血や発熱等を起こし、重症の場合は死亡する病気もあります。

また、近年では、人がダニの媒介により「重症発熱性血小板減少症候群(SFTS)」を引き起こし死亡してしまうこともあります。猫ちゃんだけではなく人の命を守るためにもノミ・マダニ予防は重要です。昔よりも気温が高い日が多く、ノミ・マダニの活動期間も伸びています。

予防方法

外用薬、内服薬

ワクチンについて

混合ワクチンについて

混合ワクチンの接種は法的な義務ではありませんが、大切な猫ちゃんを重篤な感染症から守るために重要です。ワクチンの接種で感染を100%防ぐわけではありませんが、もし感染し、発症しても軽い症状で済んだり命を守ることができると期待されます。

複数頭飼養していたり、ペットホテルを利用する、自然の中でお散歩を楽しむことがある場合は積極的な接種をお勧めします。

混合ワクチンの種類

①猫3種混合ワクチン
猫パルボウイルス感染症、猫ヘルペスウイルス感染症、猫カリシウイルス感染症を予防(重症化を防ぐ)するワクチンです。すべての猫に接種が推奨されています。

②猫5種ワクチン
猫3種ワクチンに、猫白血病ウイルスや猫クラミジアによる感染症を予防(重症化を防ぐ)するワクチンです。

接種のタイミング

生後6~8週間以降に初回のワクチンを接種し、その後3〜4週間おきに2回接種することが望ましいです(初年度のみ計3回)。
お迎えした状況、それまでのワクチン接種履歴をみながら予定を立てます。その後は飼養環境等により1年~3年ごとに接種することを推奨します。

ワクチン接種についての注意事項

ワクチン接種により次のような症状を起こすことがあります。
接種部位の痛み・痒み・腫れ・発赤、嘔吐・下痢、元気・食欲の低下、顔の腫れ・むくみ等
特に、顔の腫れやむくみ、嘔吐が見られた場合は速やかにご相談くだい。
またそれ以外でも上記のような症状があらわれた場合はご相談ください

surgery 避妊去勢手術について

避妊去勢手術は不可逆性のものです。メリットとデメリットを踏まえてお考え下さい。

避妊手術のメリット・デメリット

  • メリット

    • 予定しない妊娠の回避

    • ホルモンバランスの変化によるストレスの軽減

    • 大きな声で鳴く、食欲が低下する等の回避

    • 乳腺腫瘍の発生率の減少

    • 子宮蓄膿症、卵巣・子宮腫瘍の予防

    • 交尾に関わる感染症の予防

  • デメリット

    • 代謝が落ちて太りやすくなる

去勢手術のメリット・デメリット

  • メリット

    • マーキング・スプレーの減少

    • 尿臭の減少

    • 性ホルモンに関連したストレスや攻撃性の減少

    • 前立腺疾患や腫瘍性疾患の予防

    • 交尾に関わる感染症の予防

  • デメリット

    • 代謝が落ちて太りやすくなる

FLOW 手術の流れについて

  • 01

    事前診察・相談

    相談、健康状態を確認します。

  • 02

    手術日の決定

  • 03

    手術前検査

    血液検査、レントゲン検査、エコー検査等を実施し、麻酔をかけて手術可能か確認します。
    事前診察時に実施する場合と、手術日当日に実施する場合があります。

  • 04

    手術当日

    絶飲絶食で来院していただきます。(麻酔をかけたときの誤嚥を防ぐため)
    当日検査が必要な場合は午前10時までに、当日検査がない場合は11時までに来院をお願いします。

  • 05

    手術

    麻酔管理をしながら手術を行います。女の子の避妊手術の場合は、一泊お預かりして、翌日にお迎えに来ていただくこともあります。

    手術後は傷口の保護のためエリザベスカラーをつけたり、術後服を着ます。傷口が安定するまでは入浴はできません。

  • 06

    手術後のチェック

    退院後7~14日後に必要に応じて抜糸、傷口の確認をします。手術後は数日間抗生剤を処方します。

HEALTH CHECK 健康診断について

健康診断は随時受け付けております。人と一緒で、猫ちゃんも病気の早期発見が大切です。
自分で話せず、年をとるスピードが人よりも速いため、飼い主様が体調の変化・異変を気づく必要がありますが、動物は不調を隠すことが上手です。健康診断は健康な時の正常値の把握、病気の早期発見、早期治療へつながります。

健康診断メニュー
A

触診、聴診、尿検査、糞便検査、血液検査

B

触診、聴診、尿検査、糞便検査、血液検査、レントゲン検査

C

触診、聴診、尿検査、糞便検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査

どのコースにするか迷う場合はご相談ください。
また、血液検査の項目についてはご相談の上決めさせていただきます。

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